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老人ホーム・介護体験談

私は、主人の両親と同居していますが、自分の両親も二人だけで住んでいるため、両方の両親をいつか介護することになるのではと考え、自分が動けるうちに、介護ヘルパー2級の資格を取ることにしました。
介護の知識については、本を読んだり、講義を受けることである程度は、短期間に身に付いていきました。

講習も終わりに近づいた頃、特別養護老人ホーム、一般病院の病棟での実習がありました。
看護師や保健師の勉強や経験があるわけではありませんから、最初は本当に体が動きませんでした。
まず、患者さん、利用者さんは、みんな好意的に思ってくれているわけではありません。
心に傷のある方も多く、人間不信の方もいます。
色々な病気や障害、環境を背負った方がたくさんいるのです。
そんな方々に、どうしたら心のある介護ができるか。
それは知識だけではどうにもないと実感しました。
勿論ある程度の経験で培われていくとは思いますが、それだけでは足りません。

実は、私の父は、高等学校の教員を退職後、自分の住む地域の特別養護老人ホームの施設長となりました。
父は、誰よりも早く施設へ出向き、施設の中を一回りします。
特別養護老人ホームは、本当に重度の障害のために、大きな声を出したり、時には、介護士さん達に物を投げたり、暴れたりすることもあります。
そんなときも父は、声を荒げたり、叱りつけるようなことはしませんでした。

いつも笑顔でいることを忘れませんでした。
笑顔で、たとえ返事が無くても一人一人声をかけて回りました。
笑顔は、すさんだ心も優しく癒してくれます。

老いは、誰もがいつかは直面することです。
たとえ、上手く話ができなくなっても、体が動かなくなっても、意思の疎通ができなくなっても、もしも自分が介護される身になったとしたら、と、考えて介護していきたいと思いました。

残念ながら主人の父は、それほど介護することなく、83才で、2年前亡くなりました。
私は、義父に、笑顔をたくさんあげることができたかなあ。と振り返ると、少し反省することもあります。

知識や技術は勿論必要です。でも、それ以上に笑顔と心のこもった介護が、今必要だと感じます。